しゃぼんだま

どうにもシャボン玉がいけません だってあんなにフワフワしているのです どこかに留っていればよいものを それに色だって何色だかわかったものではありません まわりの空気や光を反射して ゆらゆら ゆらゆら いろんな色になってし…

ひきとめなさるな

どうやらもう あのかたがたは あなたがもくてきとされていた あそこにつきましたようです それでもあなたはまだいかれるのですか? すでにおわっているのではないですか? いまさらついたところで どうなるわけでもないでしょうに…

ああ ちがった ちがった

パンク した と おもったら ちがった 寝返り うった と おもったら ちがった からいの たべた と おもったら ちがった あの子と すれちがった と おもったら ちがった どうも さいきん ちがった こと ばかり せ…

雲の帝王

真っ青な空に王座を据えて 遥か彼方を臨みつつ わたしはあなた方を見届ける あなた方がたとえどれほど軽卒であっても たとえどれほど滑稽であっても それによってわたしの姿が萎む訳でも 黒く濁る訳でもない それができるのは唯一…

黒熊パパ

黒熊パパ 森から降りて 町にやってきた ブゥブゥワゥワゥ ガッガーッ ドンドン 町の音が 人の音が 風がやんで 匂いが混じって 人々の互いを見やる視線の交叉が 町中をがんじがらめ 黒熊パパ 気恥ずかしくなって 顔だけ真っ…

ジンジャー

ジンジャー あわ粒 シュワッとする からから乾いた 労働の日々 お風呂上がりで汗だくだ クーラーは嫌い 蚊が舞いおどった短冊 猫がかけあし 庭の草木はむわっとするね からから からから 扇風機の回る音 ジンジャー あわ粒…

真っ赤なテープ

空に真っ赤なテープを投げた その後は、 夏の終わりの祭り囃子を思い出した その後は、 目をつぶって腕を振り下ろした その後は、 晩ご飯のおかずの匂いがした その後は、 手のひらに細いクモの巣ががかかった その後は、 遠回…

赤い本は切り裂いて読め

赤い本は 真っ二つに切り裂いてから 読め あとがきにはそう書いてあった きっと ざっくり すぱっと いや ずばっと がつんと いや ざざっと ばすっと いや どりゃっと おりゃっと いや くりゃっと うぬぁっと いや す…

沈黙の後には

長い 長い 沈黙の後に  感じるのは 光?  音? 風?  手触り? 長い 長い 沈黙の後に  見えるのは ・・・  聞こえるのは ・・・  感じるのは ・・・ どうやらまったく沈黙はいなかったらしい 僕にはなにも見えな…

ぐるぐる

ぐるぐるぐるぐる。 おうい。おうい。 そこはどこだい? いやぁ、すっかり みえなくなってしまったねぇ。 ぐるぐるぐるぐる。 おうい。おうい。 ここはどこだい? うわぁ、どうして いつのまにこんなところに。 ぐるぐるぐるぐ…

やったろう

いつかどうにか、なるようになりたい やがてそうして、なるようになる やりたいことも、やりたくないことも やるだけやって、やりたいようにやる どこでどうなったのか、いつからこうなったのか このままはじめから、うまれてからそ…

ぐるうた

くるくるまわって落ち着いて どっこらしょってか よっこいしょ ぐるぐるひねって散歩して いやはやあんた やるもんね やっちゃぁみるけど雨も降る ねぼけまなこも猫踊る なんやあんさんどないしたん いやまあそんなにいわんとい…

はやる気持ち

はやる気持ちをおさえて 空を見上げて散歩しよう はやる気持ちをおさえて 流れる雲をおいかけよう はやる気持ちをおさえて 冬の冷たい空気吸おう はやる気持ちをおさえて むねの鼓動に耳すまそう はやる気持ちをおさえて ゆっく…

黒い烏

霧の中のような 真っ白い世界 深淵のような 黒い烏が一羽 烏は大きな糞をした その糞は地上に落ちるまで どんどん 大きくなった まるで世界を覆うぐらいに 大きく大きくなっていった 地上に一人 真っ白い世界そのままの 服を…

迷彩きぶん

赤い日記 見ていた となりの旦那は 眠ってる 鏡はいまだに 庭職人の後ろ姿 知っているかい 僕は眠たい ちょっとしたことだ 8ビート 笑い顔は 月の裏 言うことやること まるで雨 散歩にいこう