#029: 地域社会圏主義のテーマ8つめ

#029: 地域社会圏主義のテーマ8つめ

『未来の世界を想像するチャンネル』今回は、少し前に一回ちょっと中断的な形になっていた、
「地域社会圏主義」という本の、書かれている 10 のテーマ。

そのうちの 6、7 あたりぐらいまで行っていたんですけど、
それの続きを最後までやろうかなと思ったりしています。

そもそもこの「地域社会圏主義」という本を、改めてお話しさせていただくと、
いえばこれは、一つの未来における、今の住宅制度や、それに基づいて設計されている
「一住宅=一家族」という、そこのコンセプトから離れて、
それではなく、新しい、人が暮らして住んでいく複合住宅。

いろんな人が、それこそ想定ではこの本で 500 人ぐらいが入る大きな建物。
それをイメージして、そこで暮らせる人たちが、どういうふうな暮らしを営めるんだろうか、
というところをテーマに書かれている本なんですね。

なので、ここで言われている地域社会圏というものは、
一つの建物。大きな、500 人ぐらいが規模が住んでいる人たちが暮らしている建物
というのを、一つのイメージの形として理解していただいていいのかなと思います。

それにおけるテーマのような形で 10 個ほど書かれていて、
それを 1 から、1、2、3……7 ぐらいまで(すでに)話をしていて。

今日はその残りの 3 つ。3 つをちょっと話しながら、
そこに出てきたキーワードをもとに、

僕が描く未来の 200 年後の世界においては、そこはどういうふうにまた発展しているのか。
もしくはそうじゃないのか。

そのあたりっていう話ができればなと思います。

 

少なくとも、この地域社会圏で言われている「人が住む暮らしのあり方」って、
僕らの今までの常識だと、一家族一住宅というふうな、そこの定義というかな、

あり方があまりにも当たり前になっているんだけど、
そうじゃない。いろんな人が関わりながら、お店もあって、
お店もやれたり、またそれで住んで暮らして、広場もあるような。

そういうふうな交流があって、地域社会圏の中では共通の通貨が使えるような経済圏になっている、
というようなテーマも別のところであるように。

そういうふうな、一つの社会が出来上がっている建築。
建築の中で一つの社会が出来上がっている、というところですよね。

そういうふうな、違うあり方っていうのも、
これからの未来っていうものを考えたときに、
「いろんなあり方ができるんだな」っていうのが一つあると、
いいのかなと思ったりしますし。

一住宅一家族っていう、これがシステムのような形で、
絶対的なものではないっていう理解になるだけでも、
見え方っていうのが変わるのかなと思ったりします。

8つ目のテーマ:賃貸と経済政策

8、9、10 と 3 つあって、今日はそのあたりをささっとご紹介して、
僕のイメージのところも話して、っていう形にしたいなと思います。

「地域社会圏」は賃貸を原則とする。分譲で民間デベロッパーが利潤を上げるという、いまの供給システムは
根本的な間違いである。それは住宅政策の名を借りた経済政策である。
(P008, 「地域社会圏主義」INAX出版)

僕はこのあたり、素人なので全然わからないところは正直あるんですけども
建築会社とか、住宅を売ったりする販売会社、
そこで扱われてる住宅っていうのは、ここで書かれている一住宅一家庭。
一つの住宅、家の中に一つの家族が入るっていう
それがあって、そのスタイルっていうのは、今もう経済政策になってしまっていて、
そこで暮らす人たちの幸せとか在り方っていうものが、
本当に考えられていないんじゃないかっていう、
なんか一つの批判というか、見え方を指しているのかな、というふうに感じます。

それに対して、この地域社会圏としては「賃貸をベースとします」と。

この土地を、土地と住宅を売るという形で売り渡すものではなく、
あくまでも賃貸として管理していく、っていうところに収めたい、と。
じゃあ、それによって経済政策にならないのかどうかっていうのは、
ちょっと僕には全然わからないところではありますね。

で、ここについてちょっと思うことは。

人がこの世に生まれて育って死んでいくまでで、
今の世界は、やっぱりどうしてもお金が必要になっているし、当たり前ですよね。

それが多ければいろんな権利、いろんな自由、選択肢があるけれども、
なければ選択肢が限られてしまう。

なので、ここでは現代の社会をベースにした提案なので、
地域社会圏というものが、お金を発生した賃貸という形にはなっている。

僕の描く未来の世界っていうのは、200 年後の世界なので、
ある程度、今の世界から大きく飛躍することも自由ですよね。

そう思うと、人がこの世に生まれて暮らして生活して生きていく、住宅。
いわば人が暮らす場所。

あと食事。もちろん排泄行為とかそういったものももちろんあるし、
お風呂とかね、身を整える。
洋服だってそうだよね。そういったものがすべて必要だったりする。

こういった「人間が生活していくことに関わる大切な要素」というのが、
お金がそもそも発生しないようなあり方、
というのが、未来のイメージとしてありたいな、というところですね。

少なくとも、人がこの世に生まれて死んでいくまで、
その命が保証されている。

そこに関わるお金というものが発生しない。
まあ、もちろんユートピアでも全然いいんだけど。
そういったイメージを、イメージできるんだったらイメージしたいよね。