ベクトル
人の話にはベクトルがかかっている。どんな本なりネットの情報なり。
それは単に主義主張、思想などについてだけじゃなく、個々人の話の中にだってある。
ベクトルとは話している側(情報提供者)が望む何かしらの方向に聞いている人を動かそうとする力。これはビジネス的な利益優先の技術ゆえにあるものだけじゃなくて、無意識的にだってあるだろう。その場合、情報を提供する側の一方的な価値観や感情の偏り。
ある人が話す他人の人間像を聞いているうちに、会ってもいない人が、聞いた情報だけの人間像になってしまうとか。受け取った側が愚かだけじゃなくて、信用が問題なんだ。
信用があると思うだけで情報が特に検証されずに受け入れられてしまうこともある。
その情報を出している側がかけてるベクトルを意識的に引っこ抜いて、情報だけをピックアップするということができればいいのかな。
事実関係だけを捉えて、それをどう感じたかといった個人的な感情とは別に理解しておくとか。
人の話を聞いているとき、それをどう感じたのかという話はその人のもので、その人を味わうようにして聞いて楽しんでるっていう姿勢が多いかもしれない。
でもそれってあまり楽しくないかもしれないなぁ。
ベクトルがあるのは当たり前、その蜘蛛の巣のような、線と線が絡み合って揺れ動いているっていう社会像を目の当たりに見ようとしないで、自分の価値観を守ろうとする保守的な姿勢にも思えたりした。
いろんなベクトルに身を寄せていくうちに、自分の中にある磁力・引力が何なのかわかるってこともあるしなあ。