存在するものしか体験していない

池田晶子氏の『考える日々Ⅲ』より、

素晴らしい言葉を見つけましたので引用します。

 

いずれにせよ、われわれは、存在するものしか体験してはいないのだ。存在しないものを体験することは、絶対にできないのだ。この理由によって、存在するものについて、ウソかホントかを言うことは、われわれにはできない。存在するその仕方の違いを言うことができるだけだ。したがって、本当の神秘とは、「存在するとはどういうことなのか」、これである。

P 85 考えなければわからないこと より

 

僕たちは、今、生きて、存在しているということでしか存在できません。

時が過ぎていくつになっても、おそらく死の間際であっても。

気付いたら生きていた、という僕の実感は、

自分が今存在していることへの驚きでもあります。