「地域社会圏」内の構成

「地域社会圏」を構成する住宅、ここではその住宅を「イエ」と呼ぶ。「イエ」は「見世」と「寝間」によってできている。「見世」は外に向かってガラス張りである。「寝間」はプライバシーの高い場所である。

この「イエ」の構成は個々人によってどれだけ外に向かって開けている「見世」を多くとるか、プライバシーを優先した「イエ」づくりにするか、だれとどのように住むかが自由。

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「見世」は外に向かっていることから、お店として使われやすく、「寝間」は個室のようなイメージか。昔ながらの軒先のタバコ屋さんのようなお店と家を兼ねたところになるような。

またこのイラストでは、1階と2階が梯子になってたりしてるので、使いづらさもありそう。

そして大切なのは、いくつかの要素が「共有スペース」とされているところ。この下のイラストでは、水回りは「ベーシックグループ」としておおよそ5〜7人あたりで使用する共有の場所としてオープンになっている。

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運営について、以下のように書かれている。

「地域社会圏」では自前でエネルギーを生産して、そこで消費する。できる限りは自前で福祉サービスを負担する。身近な交通システムをつくる。そして相互扶助のシステムをつくる。どのようにエネルギーを作るのか。それをどのように消費するのか。あるいはどのように相互扶助のシステムをつくるのか。居住システムとともにそれを考える。「居住システムとともに」というところが極めて重要である。

こう考えると、この「地域社会圏」というのは、まるで小さな国のようだ。でも、だからこそこの「地域社会圏」が広がっていくときに、外のこのシステム外の社会とのつながり・隔たりが大切になってゆくように思う。