#021: 植物たちに覆われた建築

『未来の世界を想像するチャンネル』
ここ最近、ちょっと新宿の高層ビルあたりが
どういうふうに解体していくのかな、というところを
何日かにわたってお話をしていたところを、
違う角度から話そうかなと思います。

それに近いイメージ、もしくはそれに類するような、
現実に、どういうものがあるのかなっていうことが
今日のテーマになるかなと思っています。

そもそも自分がイメージする200年後の世界にある、
そういった高層ビルが立ち並ぶところは、自然の力によって計画的に、
人の手を少しずつ介しながらも自然の力を使って緩やかに、
複数世代にわたってその土地のあり方っていうものを尊重しながら、
少しずつ解体して解け合っていく、そういうふうなイメージがあるんですけど、
じゃあそこに近いようなもの、もしくは建物に植物がどういう形で統合しているか、一緒になっているか、
なんかそういった例っていうのがいくつかあるのかなというふうな形ですね。

で、福岡に「アクロス福岡」という施設があるようです。
これは1995年ぐらいに完成した複合施設みたいなんですが、
いろんなホールとか文化施設が入っているところみたいですね。
なのでもう今30年近くになるのかなと思うんですが、
階段状になっているところが植物が生い茂っていって、
その20年30年という長きにわたって、
最初から植えられていて計画されていた植物・樹木だけではなく、
近隣の鳥、昆虫、そういった外部からやってきたものが
新たな種を運んで、さらに樹木や種類が増え、
今はもう鬱蒼とした階段状のようなところなんですが、
その階段が、いえばちょっとした森のようなものになっている、
そういった建物があるようです。

アクロス福岡/ステップガーデン(内山緑地建設株式会社)

この建物は、一つの階段の段差のところにそれぞれ植物が植えられてはいるんですけど、
それ以外の面はガラス張りになっているのがメインで、
いかにも今あるよくあるビルみたいな感じの雰囲気があるんですが、
その植物が植えられている段差の部分というところは、
結構かなりね、樹木が本当にまるで公園のように、
自然の中に植えられる、自然の中にあるような感じの雰囲気っていうものがとても出ていて、
結構素敵な場所なのかなと思ったりしました。

 

あとは、これは海外のところなんですが、
垂直の庭園というものがいくつかあるようですね。

それはスペインのマドリッドであるとか、
あとはパリにあるケ・ブランリ美術館というところだそうです。
ここにあるのは本当に壁の垂直な壁、
そこにまるで庭園のように植物が鬱蒼と生い茂っているものみたいですね。
数百種類ぐらいの植物が覆われているようなところみたいです。

CaixaForum vertical garden. Taken from Paseo de Prado by David Cross in October 2009. (WT-shared) Davidx at wts wikivoyage

植物に覆われた壁というイメージというのも、
僕がこうイメージする未来の中で、
緩やかに自然の力によって解体されていく多くの建物っていうのは、
こういった植物、いろんなものが関わって、
力によって解体していく、その一つなんだろうなと思うと、
こういうふうに壁にいろんな種類が覆われている、
こういう垂直庭園のようなイメージというのは、
とても見ていて楽しいなという感じがあります。

ケ・ブランリ美術館① パトリック・ブラン氏の垂直庭園 -Patrick Blanc’s vertical garden-
https://hidemishimura.com/qual-branly1/

マドリッドにあるその垂直庭園というのは
何度か見に行ったことがあるんですが、
パリのケ・ブランリ美術館というのは
ちょっと知らなかったので、
もしなんか機会があったら行きたいなと思いますね。

それぞれ、福岡のアクロス福岡、
スペインの垂直庭園、
パリのケ・ブランリ美術館、
これは今、既存にある建物なので、あくまでも建物がちゃんと存在している、
解体されずに植物の力とか
そういったものには決して負けないで、
ちゃんと利用されていくということがもう大前提なので、
そこは僕が描くものとはちょっとベクトルは違うんですけども、

雰囲気としては、景観であるとか、
自然が人間にとってどういうふうに影響があるのか、
自然の中でどういうふうに
人間の文化というものが建物と交わっていくのか、
そういったところをイメージする時に、
ちょっと面白いな、というものでした。