佐々木加奈子「Drifted」展

3・14 MA2Galleryにて佐々木加奈子「Drifted」展を見る。
静謐な風景写真に作者と思われる女性が見える。そんな小さな作品たちとともに、海外のカラー新聞紙を使って作った船首の部分が壁一面に貼り付けられている。それは素直になんかきれい。
2階にも展示エリアがあり、真っ暗な空間に懐中電灯を使って入ってみるというシチュエーション。(懐中電灯の電源がわからず、一人であたふたしたが)洞窟を模してつくられたというその空間内を、NASAのデータベースからの宇宙、月面の画像やGoogleEarthから得たという映像を見てゆく。一人で見たから、よけい洞窟的な雰囲気が堪能できた。2階展示空間自体を使ってのインスタレーションと言えるか。
作品からよりも、テキストを読みながら作品を見ることで、その意図がぼんやりと伝わってくる。人を人類という大枠で捉えて、どのような流れを辿りまた作ってきたのか、そんな巨視的な視点をもって制作している人だと感じた。それがどのような感覚として提示されているかというと、個人的にはそこまではあんまり感じられなかった。