黒い烏

霧の中のような 真っ白い世界
深淵のような 黒い烏が一羽
烏は大きな糞をした
その糞は地上に落ちるまで
どんどん 大きくなった
まるで世界を覆うぐらいに 大きく大きくなっていった
地上に一人 真っ白い世界そのままの
服をまとった少女がいた
彼女は 落ちてくる烏の糞を
あれほど大きな大きな糞を
小さい口をあけて吸い取った
糞を吸い取ったとたん 彼女の頭から角がはえた
その角はどんどん天に伸びていった
いっぽう彼女のその体は
地上に根を張るようにして
深く静かに横たわる
天を突き刺す勢いのまま 伸び続ける角は
真っ白な世界を突き抜けて
やがて太陽に突き刺さる
そして大きな破裂音
ぱおわぁぁぁぁぁーーーん
太陽の子供たちが
こうして地上に降り立った
その子らの名は