リヒター展
川村美術館へ「リヒター展」を見に出かけた。
なんでもリヒターの日本での回顧展は今回が初だそうで、代表作50点あまりが展示してある。大日本インキ化学工業株式会社の総合研究所敷地内にある美術館は2階構造。1階部分にはヨーロッパの近代作家の有名どころの作品などがあった。レンブラントがあったのにはすこしびっくり。全体は西洋風のこじんまりした城のようなつくり。周りも散策路や白鳥などがいる大きな池など自然に囲まれて静かで心地いい。行ったときには昼過ぎで、やや陽が傾いていたが、雲一つない晴天。
1階部分のコレクションを抜けると「リヒター展」の展示が始まる。
主な展示は2階全体にある。3,4mはあるだろう大作「森(3)」「岩壁」「雲」もある。
印象的なぼけた映像の作品。「記憶」という言葉を強く思い起こさせるアブストラクトシリーズ。僕たちの世界を見返す「ガラス」シリーズ。
作品のスタイルは違うが、全てはリヒターの作品だとすぐわかる。作品の根幹にしっかりとあるコンセプト、制作の動機が備わって一貫している。そのことがすごい。
展示会全体を見ていながら、風景(世界)=記憶、という思いがする。
1枚、11枚、そして5枚とある「ガラス」シリーズ。その全てがまったく違う世界を示す。色々な見方で自分の周囲の風景を見れる「直立する5枚のガラス板」が好きだった。
いいものを見た、という感想を彼女と言い合う。「おもしろい」ではなく「いい」よねと。
いいものを作りたいと強く思った。
リヒター展 2006/1/22まで
川村記念美術館(千葉県佐倉市)にて
※常設展、マーク・ロスコーの2mを超える大作7点が壁一面に囲まれた部屋「ロスコーの部屋」もオススメ!
ゲルハルト・リヒター展@川村記念美術館
金沢まで行こうかと思ったリヒター展、関東(といっても、千葉ですが・・・)でも見れることがわかり、早速行ってきました。この日はオープニングで、リヒター作品と共に来日しているノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館学芸員のアネッテ・クルシンスキさんという方のレクチャーも聞けました。リヒター作品は、これまでにも何度か目にする機会があり、前にもブログに書いたように絵画だけど映像的な感覚が好きでした。で、今回リヒターの作品を回顧展形式でまとまった数の作品を見て新たに感じたのは、「自由さ」。スタイルの自由さ、作品へのモチベーションの自由さ、解釈の自由さ・・・。悪く言えば「何でもありじゃん」と言われ…