見えない世界
自分のいる場所、暮らす世界。そこから遠く離れた場所、旅に出て、見知らぬ場所を訪れたとき、そこで暮らしている人たちを見るとき、それまでの自分の周りの世界とは別の世界で、長い年月生きて暮らしてることに驚く。
その驚きは、自分が生まれる前の世界、死んだ後の世界のように、自分の存在などまるで関係なく、常に世界があったんだっていう事実に出会ったことのように似ている。
誰しも自分が生まれる前の、そして死んだ後の世界がどうなるのか、わからない。それは決して見えない。掴まえられない世界。
旅は、そうしたただありのままに存在する世界の姿を、垣間見せてくれることかもしれない。
確かに色々な情報や知識が飛び交い、なにかしらかを知っているけど、僕は今の世界、この自分の生きている世界が、入ってくる情報と同様に、ますます情報化しているように思う。情報、それ自体は本当に生きていることなんだろうか?DNAは情報そのものと言うけれど、生きているこの事実は情報という言葉では言い尽くせない。
そしてそれは生きている実感についても関わっているような気がする。
飛行機で、遠い海外の国へまもなく到着しようというときに、窓の外から風景を見たときのことを思い出して、こんなこと思ったのです。