たわしの効用
たいへん久しぶりにたわしを使って体を洗うようになりました。
たわし、と言っても、台所用に使われる、大変硬い毛のタイプではありません。
こちらのサイトで見つけた、やわらかいタイプの亀の子たわし。
紐がついているから、背中に届くのです!
https://wazawaza.shop-pro.jp/?pid=50003128
そもそもなぜ、たわしを使うのか?
ちょっと昔の話ではありますが、
20代の半ばで一人暮らしをしていた頃、一人修行を行っているような生活でして、
当時は一年中、水浴をして、体はたわしを使って洗っていました。
もちろん上記のようなやわらかいタイプなどないので、
台所用に使われるような、一般の硬いたわしです(笑)。
痛い?もちろんです。なので擦るようにゆっくり使います。
擦り方にも方法があり、足の先から上の方に刷り上げるようにします。
手も、まず手先から肩にかけて、刷り上げるように動かすのです。
慣れないうちは体は真っ赤になりましたが、慣れてくるとこの独特の爽快感が心地よかった。
当時はいろんなストイックさがありましたが、
ガスを使わない生活で(ガス代ゼロ円)、真冬でも水浴びをしていましたね。
上半身から水を浴びてしまうと、「ヒッ」と息を吸ってしまってなかなかあぶないので
必ず息を吐きながら、足先から徐々に水をかけていました。
それでも、胸から上にかけて水をかけるのはなかなか辛いので、
息は必ず吐きながら行うことを徹底していました。
この文章を書いて思い出したのは、当時、友人から影響を受けていたある運動法があります。
肥田式強健術という、あまり聞き慣れないものですが、
今でもごくたまに行うことがあります。
懐かしくて、久しぶりにその本『聖中心道 肥田式強健術』をひらいて、
この亀の子たわしについて書かれたあたりの記載がはいったところを確認しました。
『壮快なる亀子たわしの刺激』という副題があります。(懐かしい)
湯にしたした軀を、石鹸につけた亀の子把藁でゴシリゝと擦ると、皮膚はムズ痒い様になつて、一層強く、ギュウゝと擦りたくなる。丁度痒い所を掻くやうな爽快感を覚える。一寸のうちに、生まれ變つた夜雨に晴々する。清潔になる。これまでになると、無刺激な手拭など、生微溫くて、とても使はれない。石鹸を把藁に附けて、ゴシゝと、全身を擦つた後に、湯を頭から被ると、脂肪も汗も垢も、奇麗にサラゝと流れ落ちて、皮膚はキスゝと、ゴムを洗つたやうになる。
若し夫れ此の強硬摩擦を、合理的運動を施した、弾力に富んだ筋肉に與へると、壮快の感は、一段と大なるものがある。
聖中心道 肥田式強健術 P81-82
確かにこう書かれているように、慣れてくると爽快感はとても心地よく、
肌も強くなっているように思ったりしたものです。
皮膚に刺激を与えることは、乾布摩擦に代表的なように、血行にもよさそうです。
硬い亀の子たわしはさすがにオススメしませんが、
やわらかいタイプであれば、適度な刺激がありますので
ちなみにこの『聖中心道 肥田式強健術』という本、辞書のようにとっても重くて厚いです。
それにしてもふと思うのは、
この肥田式強健術の本を読んで、
今でも影響を受けているものがたくさん自分の身に残っていることです。
当時から始めた玄米食は今も続いています。
呼吸に意識を向けることは、この肥田式強健術が最初でした。
なかなか腹式呼吸すらできない自分ですが、
息を吸う状態と、吐いている状態で体の力の入り方、抜き方が分かるのは
影響を受けた肥田式強健術がベースにあります。
それゆえに、ヴィパッサナー瞑想にもすんなり入ることができました。
また自分がどんな姿勢になっているのか、
気づく意識があるのも、当時の自分がいてこそだと思います。
また少し肥田式強健術の型をやってみようかな。