問い続ける力は引力となる
前回の記事で書いた
いかしあう働き方研究室 (自分とつながる編)では、
テーマを真剣に考えようとする姿勢と、
他の参加者の意見を、みんなが優しく受け止めてくれる
大変に心地よく、かつ緊張感が持続する
とても素晴らしい場でした。
オーガナイズされた場をいつも整えてくれたグリーンズの方々や
参加された方々がとっても素晴らしい人たちだったのはもちろんなのですが、
それ以外にも大きな要因と思えるのは
テーマとなる問いを一人ひとりが日頃から考え続けていたから
ということです。
今回参加されたメンバーは
みんな、「いかしあう働き方」「自分とつながる」
というテーマから導き出される
「働く」ことについて
各自が思い思いに
もやもやしたり、思い悩んだり、
違和感を覚えて立ち止まったり、
動けなくなってしまってその場から離れてみたりしながらも
諦めることなく
このテーマが自分にとって、大切な問いなんだということを
はっきりと分かっていた
だから抱え続けていたのだと思います。
このように「問い」を持ち続けたことが、
それぞれの中で、このような場や仲間を呼び込む引力となったのではないか、
と思います。
この引力は
ただ「分からない」から「正解を教えてほしい」
状態では生み出されることのない力、
向き合って自分なりの答えや試みを繰り返し
問いと格闘することによって
少しづつ自分で自分の深みに降りていく作業を行っていくことで
生み出される力、だと思います。
だから
一人ひとりが相手を尊重し、
自分の意見や考えが安全に話せる
伝わる場となれたのだと思います。
問いを持ち続ける姿勢、
それは「悩む力」(著 姜尚中)とも言えますし、
以下のような文章にも該当することだと思えます。
この世に存在する様々な「矛盾」を前に、
それを深く心のなかに把持し、
「割り切る」ことなく、
格闘し続けること。
使える弁証法 P172 (著 田坂広志)
「事実や理由をせっかちに求めず、不確実さや不思議さ、懐疑のなかにいられる能力」あるいは「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」
ネガティヴ・ケイパビリティとは、宙ぶらりんな状態に耐えた先に、必ず深い発展的な理解が待ち受けていると確信し、耐えていく持続力を生み出すものなのです。
ネガティヴ・ケイパビリティは諦めることを意味していません。いまは変えられないとしても、その不確実な状態に努力して耐え、希望を見いだしていく態度です。
問い続ける
悩み続ける
という行為は
その人個人の問題ではなく、
引力として人と出会う導きの力
なのかもしれないと、思うのです。