午睡の翅、という詩集
もうずいぶん前になるのですが、
たぶん京都の恵文社へ行った時に買った詩集があります。
『午睡の翅』(ごすいのはね)
淺山泰美
ネットで探してもデータがない大変貴重な本だと思われます(笑)。
発行者も著者本人ですので、自己出版かもしれません。
その詩集の冒頭の詩「不死」の始まりを紹介します。
睡りのなかの昏い地理。硝子の仕切り、水の階段。緑葉の、土の、
植物の冷ややかな歩行。翳りと狂い。傾ぎ。
自転車を漕いでもだめだ。
この一節を恵文社で立ち読みしたとき、
夏の日の、小学校か中学校くらいの学校裏、水道蛇口と蝉の声
そんな景色と匂いまで脳内にブワーッと駆け巡りました。
(今でもそのシーンはなんとなく出てきます)
どうしてなのか分かりませんが、
それが大変印象的だったので、こうして今手元にあります。
購入してから10年以上はたっているかもしれませんが、
ごくごくたまに、この詩集のことを思い出します。
全部の詩を読んだのか分かりません。
ですがこういう本というのは、多分生涯ずっと持っていると思います。