地域社会圏主義 単位としての集団

山本理顕さんの本「地域社会圏主義」

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建築家の人が社会をイメージした内容。家と町と都市が交錯して上下左右に分散しながら広がりを見せる。

「1住宅=1家族」という前提そのものが破綻しつつある。

と指摘しており、専有と共有との関係をすべて見直されて設計されている。

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人間社会を形成する単位を集団として考えて建築をイメージすることがおもしろい。人間の集団社会は、200〜300人がもっとも適した人口だとどこかで聞いたような。

エネルギー、交通、介護、看護、福祉、地域経済、「1住宅=1家族」を前提として成り立っていた関係をすべて見直す。その見直された関係が「地域社会圏」である。(P12)

この場合は、建築単位のシステムとして「1住宅=1家族」から「1住宅=1社会圏」として考えてみる、ということだけど、未来への想像を広げてみると、一つの集団がある程度の家族的なつながりを持つことへも思える。

そこでは子どもが1家族の責任・所有ではなく、地域社会圏の子どもになる。

「1社会圏」に必要なのは、集団と外部との「膜」がどれだけ自由でゆるやかにできるか、ということが肝だね。

単位が血族を中心とした「家族」から、不特定多数の「社会圏」として変わるのは建築システムだけじゃなくて、文化・風習それらもすべてひっくるめて変わってゆくことを想像してみたい。