3Dプリンターで作られる食の未来?
3Dプリンターではすでに
食材での制作ができるようになってきているようですね。
3Dプリンターで食べ物を印刷へ、既存の食事を置き換える可能性もあり
http://gigazine.net/news/20130523-3d-printed-food/
こちらの記事では、
「30年は保存のきくパウダー状の材料」
「パウダーには砂糖や炭水化物・プロテインといった成分から構成され、それを水や油と混ぜて3Dプリンターで出力する仕様」
によって作られる食べ物であり、
「それぞれの体にあった栄養価の食事を取れるようにしたいと考えています。例えば、年配の男性なら炭水化物は少なめ。」
「未来の食べ物として既存の食事に置き換わる可能性を秘めています。」
とあり、どうやら現代栄養学に則って
各人の体にあった栄養価の食事を取れるような食事を作る
ということが目的のようです。
ですが僕たちは栄養価を体に取り込んで生きているのでしょうか?
いいえ、動物や植物たちの生命を取り込んで生きています。
食材の生産という仕事は、
ひとつひとつの食材それぞれが生み出されるためにその土地と風土と、
そこに暮らす連綿とした人々との関わりによって作られてきたものだと言えます。
そうした古くから続く伝統的な仕事や生産者の方々の仕事を通じて、
食事そのものが尊い行為だという価値観が再考される必要があるように感じます。
いろんな形に加工されたパウダーやビタミンのものではなく
食事は本物の食材を、ありがたく感謝しながら食べたいものです。
ですがこうしたテクノロジーの発展は、
「現在の食料システムは120億人という人口を支えるには不十分であり、私たちが食物と見なすものの認識を変える必要がある」
というように、食糧不足問題の解決策を示すものとしても語られています。
(120億人とは、どうやら2100年の予想人口らしいですが:参照記事)
ですが現代においてもゴミ処理される過剰な食料があるように、
そもそもの食糧不足問題は、世界資源の分配と搾取の問題がより大きいでしょう。
これらは製造の問題だけで解決できるものではありません。
資源搾取・分配のコントロールが働かないような現代社会の延長のような未来では、
いくら製造面での革命がおこったとしても、
先進国内でその恩恵が集中するばかりで
食糧不足を訴える国や人々には、
粗悪品が流通してしまう恐れのほうが大きいように感じます。
こう考えると、
すでに現代が抱えている「食とは何か?」という問題が、
3Dプリンターによってもフォーカスされてくるように思います。
むしろ今まで僕たちの文明が抱えていたものが
テクノロジーがさらに発展するにつれ、
ますます明るみになって出てくるとも言えるかもしれません。
画像出典:http://gigazine.net/news/20130523-3d-printed-food/