広がる設計図のオープンソース
設計図のオープンソースというもので言えば、
『マーチン・ヤクボスキー:文明の設計図をオープンソース化する試みについて』
というTEDの映像が大変興味深いです。
オープンソースとは、コンピューター用語の一つで、無償公開しているプログラムのことで
FireFoxとかLinux、携帯のOS・Androidもその一つですね。
ソフトウェアの設計図にあたるソースコードを、インターネットなどを通じて無償で公開し、誰でもそのソフトウェアの改良、再配布が行えるようにすること。また、そのようなソフトウェア。
http://e-words.jp/w/E382AAE383BCE38397E383B3E382BDE383BCE382B9.html
こちらはそうした無償公開する対象をプログラムだけではなく、
僕たちが恩恵をうけている農業や工業機器などの設計図を
オープンソース化することにより、
誰もが低価格で製作・維持できるように目指す試みです。
私たちは現代生活の維持において最も重要と思われる50もの機械を選び出しました。
トラクターやパン用オーブン、電気回路制作機などです。
私たちはこれらの機械をオープンソース化し、
日曜大工(DIY)によって誰もが製作でき
ほんの少しのコストだけで維持可能なようにしました。
『TED:マーチン・ヤクボスキー:文明の設計図をオープンソース化する試みについて』より
選び出された農業用・工業用の50もの機械のリストはこちらで確認できます。
これらはThe Global Village Construction Set (GVCS)として
トラクターや小屋、溝掘り機などが試作機としてあるほか、
セメントミキサーやブルドーザー、電動機や風力発電機などがプランニングされているようですね。
http://opensourceecology.org/gvcs/gvcs-machine-index/
またこちらでは「Civilization Starter Kit」(文明を始めるためのキット!)
というものもあるようです。PDFが読めます。
設計図のオープンシェア化という動きは、
低コストで誰もが作れるという3Dプリンターのコンセプトと一致している点が多いので、
3Dプリンターの開発がますます進むことによって
一気に広がっていくような気もします。
また同時に3Dスキャンが、CTスキャンの機能も持つようになると
外見だけでなく内部すべてをデータ化できるようになると
(実際CTスキャニングによる製品検査などは行えるようですね:参考)
既存の製品、昔の商品なども気軽に作れるようになるのでしょう。
3Dスキャナ = 設計図 = 3Dプリンター → 製品
これらが同一フォーマットで稼働できるようになる未来をイメージしてしまいます。
(ここでの製品はゴミにならないリサイクル可能な素材で生成される)
ですがツールとして部品が出来上がったとしても
実際組み立てて稼働し、修理・維持するためには、
どうしても専門的な知識や技術が必要になりますので、
そうした人たちをどう確保、継承、維持していくかですね。
設計図のオープンソース化の動きはこの他にも
家具デザインや車などにも活動があるそうです。
どれも非常に興味深いです。
OpenDesk:家具デザイン設計図のオープンソース
https://www.opendesk.cc/
TABBY:オープンソース型DIY自動車
http://www.osvehicle.com/tabby-info/
記事:家具デザインをオープンソース化するプラットフォーム「OpenDesk」
http://www.roomie.jp/2014/01/132758/