「孤独」を考える

snow covered mountain during daytime

 

クラブハウスにて、

毎月第3日曜日にMCFAの仲間と一緒に行っているクラブ“Be as one”。

今月は、「孤独とどう向き合うか」一人でいられる能力の高め方

というテーマで、みんなとお話をしました。

 

今回、「孤独」をテーマについて話す時に、

混同しがちな言葉「孤立」との違いについて

みんなと同意をしてから進めました。

 

話すに先立って、「孤独」と「孤立」について少し調べると、

孤独・孤立対策推進会議」という名称の政府主導の会議が出てきました。

その会議の資料の一つ「孤独・孤立対策の重点計画」というPDFには

孤独と孤立について、政府としての理解・考えが述べており、大変参考になります。

「人間関係の貧困」とも言える孤独・孤立の状態は、「痛み」や「辛さ」を伴うものであり、 心身の健康面への深刻な影響や経済的な困窮等の影響も懸念されており、孤独・孤立 は命に関わる問題であるとの認識が必要である。

一般に、「孤独」は主観的概念であり、ひとりぼっちと感じる精神的な状態を指し、寂しいことという感情を含めて用いられることがある。他方、「孤立」は客観的概念であり、社 会とのつながりや助けのない又は少ない状態を指す。

概念は異なるが相互に関連する「孤独」と「孤立」の問題としては、

・ 社会とのつながりが少なく「孤立」しており、不安や悩み、寂しさを抱えて「孤独」である場合がある

・ 社会とのつながりが一定程度あり「孤立」していないが、不安や悩み、寂しさを抱えて「孤独」である場合がある

・ 社会とのつながりが少なく「孤立」しているが、不安や悩み、寂しさを抱えていないため「孤独」でない場合もある
(ただしその場合でも、家族など周りの方が困難を抱えている場合も想定される)

が考えられるが、孤独・孤立に関して当事者や家族等が置かれる具体的な状況は多岐にわたり、孤独・孤立の感じ方・捉え方も人によって多様である。

P5 孤独・孤立対策の重点計画
https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/000885368.pdf

この文章の中では、「孤独」はひとりぼっちであると感じる精神的な状態であり、

孤立と同様に「人間関係の貧困」と表現されていることに目を引きます。

 

「孤独」という言葉の中には、

「孤独感」という感情で示されるような、寂しさを表す感情もありますが、

それ以外の状態もたくさんたくさん含まれる、

より射程の広い言葉であると思えるのですが、

ここでは孤立と並列して述べることによって、

両者に共通する不安や寂しさという感情として

同じもののように扱われていることが、

ひょっとしたら昨今の

孤独が避けられている空気の一端だったりするのでしょうか。

 

 

クラブハウスの中で、

仲間のふみさん(広瀬 ふみさん)がシェアしてくれたことですが、

心理学者の諸富祥彦氏は、

孤独を以下の3つの要素として考えられているそうです。

  • 非選択的な孤独
  • 選択的な孤独
  • 実在的な深い孤独

 

「孤独」という言葉の射程の広さを、

とても的確に表されているなあと、素直に関心しています。

 

自分は「孤独」というものは

まずシンプルに、「一人である」という状況を示すと考えています。

その状態をどう捉えるかは、人それぞれによる、と。

そんな自分が感じていた孤独とは、

この場合の「選択的孤独」に該当すると言えそうです。

また、「非選択的孤独」とは、望まれない孤独、とも言いえるでしょう。

そこには、

本人として、孤独になりたくないけど、なってしまった

そんな苦しさを感じさせる言葉で、

「孤立」とかなり近いイメージです。

ですが、やはり「孤独」と「孤立」は違います。

 

そんな前提を通じて、クラブハウスで「孤独」をテーマにお話をしました。

 

 

終わってから新しく気づいたことは、

「孤独」をどう感じるかは

私をどう受け止めているのかが大きく関わる、ということでした。

 

私が「何者かでならねばらなぬ」とか「こうしなければならない」

という生きづらさにつながるスキーマ(思い込み)でいっぱいだったり、

 

私は「私がキライ」だとか「私は悪い、醜い」

そんな自己肯定感が低い状態であるときには、

一人でいる時には、その私しか相手がいないのですから、

ほんとうに辛くて、苦しかったりするからです。

 

孤独を楽しむ、と言いますが、

楽しむにはそれだけ自分が自分と一緒になってて嬉しい、

そんな気持ちがちょっとでもあるといいですよね。

 

そうして時には

深く深く、「実在的な深い孤独」とやらに向き合って

自分の命と対話をする、

そういう時間を大切にしたいものです。

 

「おまえの心に耳を傾けるのだ。心はすべてを知っている。それは大いなる魂から来て、

いつか、そこへ戻ってゆくものだからだ」

P151 アルケミスト 夢を旅した少年 パウロ・コエーリョ著 角川文庫

 

 

補足

この番組でのテーマは、

現在、野口嘉則氏の書籍『「これでいい」と心から思える生き方』を題材として、

そこから第一章、第二章、、、と、テーマをピックアップしています。

そしてそのことを通じて、

この“Be as one”の番組としても

この著書のテーマでもある心の土台作りを促すような構成に、なればいいなと思いながら

メンバーとともにテーマを話し合ったり、提案し合ったりしながら進めています。

 

これまでは、第一章 心の安全基地を確立する から

「ゲシュタルトの祈り」(4/17)について、

そして「アサーティブ・コミュニケーション」(5/22)をテーマにして話してきました。

第二章 生きる力を養う からは

外発的動機と内発的動機(7/17)」についてお話してきました。

※7/17の番組は録音されています。よかったらぜひお聞きください。