#019: 土地とはなにをさすのか

『未来の世界を想像するチャンネル』

今日はそこで、もう一つ「土地」について、
その土地の解像度をちょっと上げるような話を、
自分の中でできればと思います。

いわば、高層ビルが立ち並ぶ新宿という、
そういった土地の中で、
ゆるやかに自然の中に解体していく、溶け込んでいく、という時に、

大切にされるものとして、
その土地にふさわしい形で、解体が進むという、
いわば土地の中にあるというところがベースにあって、
それを大事にして解体が進むという。

じゃあ、その指している土地っていうのは、
もう少し噛み砕いていうと、
どういった様子がいろいろあるのかな、というふうなところを、
もう少し考えようかなと思います。

例えば「風土(ふうど)」っていう言葉がありますけど、
あれは、自然環境とか、地形とか、気候とか、
そういったものと合わせて、人間がそこに住んで暮らして、
自然との関わりの中で、織りなしながら作られる様式というか、
そういった定義のようなものが風土という言葉になっていると、僕は理解しているんだけど、
そういった風土というようなあり方もそうですし。

あとは、その土地に過去どういった歴史が詰まっているのか。
それこそ地層とかっていう堆積物が、
どれだけ重なりながら、土地という場所をつくり出してきたのか。

堆積していくという長い時間をかけながら、
どういった気候とか、太陽の日照、日照時間とか、
あとは月のサイクルだとか、風とか、降雨量とか、
そういった空気の流れとか、高低差とか、気圧とか。

あとは動物とか、植物、虫たち(生き物たち)。
そういった人間の社会の中で今では除外されている存在たちが、
どうその中で活動しているのか。

キビタキが見られる生息地と探す際のポイント | 野鳥情報.com
キビタキ(野鳥情報.com)

例えば東京という土地においても、
渡り鳥のルートになっているところがある、ということを前に知ったんだけど、
キビタキという小さな渡り鳥かな、
それがオーストラリアのほうから海洋のルートで、
中国のほうまで渡って、また関東のほうに来て、
ちょっとひと休みするような場所になっているとかね。
(正しくはオーストラリアではなく、フィリピン・インドネシア方面でした。Link

鳥たちにとっても場所、それぞれの土地というのは、
一つの大きな意味を持っているところもあるだろうし。

あとは、地球の磁気とかね。
そういった、今僕たちが暮らしている社会の中において、
あまり重要とされない要素、
だけども本来その土地の持つあり方というか、意味というか、
存在そのものによって関わる、
そういった、これまで切り捨てられてきて、
あってもなくても同じようなものとして扱われてきたんだけども、
実は大切なもの。

そういったものがしっかりと守られていく。
その守られた上で、その土地の個性でね、
そういった一つ一つの土地の個性に合わせて、
大きな影響を与えず、その個性を活かした状態で、
旧来の文明であった高層ビルとか、
そういったものが徐々に交わりながら、
ゆるやかに解体していく。

解体の中でイメージされるその土地っていうのは、
そういった普段の生活では、
これまであまり目につかなかった小さい要素たち、
そういったものが実は織りなして、
一つ一つの場所とか地域とか土地において、
独自の色を成しているものがある。

それをとても大切にしながら、
そういった解体とかプロセスが進められていく。
そんなイメージかな、というふうにちょっと思います。

それは、人間社会の中で目に見えなくなって、
あまりにもはっきりと捉えどころがない、
微細な感覚で、データにもできないし、定量化もできないし、
人によっては、あったりなかったり、っていうぐらいのものではあるけども、
何かとても大切なもの。

それは、自然そのものの大きな力、
というようなイメージになっていたりするのかもしれないですよね。