#003: 人新世(アントロポセン)の時代
『未来の世界を想像するチャンネル』です。
人間が地球に残した爪痕
昨日、人間が地球に爪跡を残す、そんな何か言葉があったなぁと思って、
パッと出なかったんだけども、それをちょっと入り口に話そうかなと思います。
それはですね、地質学のところで言われている
「人新世(アントロポセン)」っていうことを、
ちょっと言いたかったなぁということでした。
人間の作った文明とか文化とか、そういった物質、
そういうものがもう地質の中に入ってしまって、
地球そのものにも影響を与えている時代なんじゃないかっていう、
そういう見え方があるらしい、ということなんですね。
いわば人間の影響っていうものは、地球レベルにおいて、もう痕跡を残しているんだっていうことです。
で、それについてちょっと調べながら、ふと思ったのは、
やっぱりまず最初に何が思い浮かぶかっていうと、福島の原発事故ですよね。
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福島原発事故のこと
あれは2011年3月11日に起こった地震で、
原発の大きな事故があって、今も核のデブリかな、がまだ処理は全然進んでいないっていう話で。
あれこそ大きな、大きな、人間が地球に与えている、進行形のものですよね。
あれが一体いつになったら、ちゃんと処理されるのか。
それがいつになるのか、まったくわからない。
それぐらい恐ろしい出来事があって、
しかもそれが今も続いている。
まさに地球に人間が与えた影響として、とても大きなものの一つだと思います。
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人間が環境に流し込んでいるもの
で、それとまた同じような形で、
昔ちょっと読んだ記事とかにあったのが、
人間が体の中に取り込む医薬品とか(化学物質など)いろんな物質が
人間の体に入ったあとに、汗とか、排泄物とかを通して流されていく。
それが自然環境の中にどんどんどんどん蓄積されて、
それによって環境が悪化している。
そういったものがあるっていうのを知ったんですね。
どうやら環境科学の分野の方で、
そういった研究というのはすでになされているみたいです。
たとえば医薬品の構成物質であるとか、ホルモン剤、
そういったものが人間のために必要なものとして作られて、
こうやって日常の中で手に入ったり、流通したりしているんだけども、
それが役目を終えた段階ですよね、そこから流されていって、環境の中に混じっていく。
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小さな粒子が積み重なる
一人二人とか数人レベルだと、
全然まったく影響ないっていう検証はされてるんだろうけども、
それがずーっと堆積していって、
何年、何十年というふうなレベルで、
どんどんどんどん、海の中とかに薄まっていったとしても、消えることなく(残るとしたら)。
マイクロプラスチックっていうのもそうだよね。
あれも全く目には映らないぐらいの、
すごい小さな粒子で、どんどんどんどん、
見えないけども、いつの間にかプランクトンとか、
そういった微生物の小さい体の中にまで、蓄積されてしまっているみたいな。
やっぱりこういうふうなものは、
人間が自然に影響をもうすでに大きく与えている、
そういったことの一つの大きい出来事になってるんだろうなと思います。
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核の処理と200年後
で、まあ、ここの話から何が言いたいのかだなって思うところ、
ちょっと今考えてはいるんだけども。
僕がこのチャンネルで話したい「200年後の世界」、
そこではすべての問題がクリアになっているっていうのは、
あまりにもユートピアなので、そうは思ってないんです。
特に核の話。
原発で起こった事故、そのデブリの処理っていうのは、
200年程度で何か解決されるっていうことも全然ない。
なので、僕が描く200年後の世界にも、
核の処理はまだもちろん続いている。
続いているんだけども、
今のアプローチとはまったく違う形で、
少しずつ解決の道がしっかりとできている。
そういうものがきっとあるんだろうなと思います。
だから、今の時代から全く飛び離れた、
全然別の星をユートピアとして描くような200年後ではなくて、
やっぱり今、僕たちがこうやって住んでいる地球。
そこがベースになるよねっていうところが、
すごい大事なところかなと思っています。
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想像することの意味と未来への視点
で、それにじゃあ「できるの、できないの?」っていうことを、あえて問わずに、
どういう世界になっていれば、
人間としては素晴らしい、地球としては素晴らしい環境になっているんだろうな、
っていうところを想像するために、
この200年という、その先の世界をイメージしたい。
そういう意図だったりします。
全然ちょっと結論めいた話にはなってないんですけども、
そういう形でですね、
人間の痕跡とか、そういったものは地球にはまだまだ残っている。
これからも、まだまだどんどん残ってしまっている。
そういったものにしっかりと向き合って、
アプローチが行われ、解決策が少しずつ提示されながら、
しっかりとそこに、解決のほうに向かっている。
環境がクリアな方向に向かっている。
今の問題だって、少しずつ研究は進んでいるみたいだし、
それによって技術の管理とか、適切な管理といったもので
少しずつアプローチというのは進んでいるみたいですし、
今の時代ですらそれが可能なので。
200年という、その先のスパンになったときには、
こうやって今、僕らがたぶんこの100年、200年の中で起こしてしまった、
地球に対するそういった爪痕というものは、
ここから先の200年で、
それらをしっかりと取り戻す時代になっていくんじゃないかな、と思ったりします。
なので、それぐらい逆に今の時代っていうのは、
すごい布石を残しちゃってる時代なんだろうなと思ったりもするんですけども、
そこであまり反省しすぎるとか、
人間が嫌いになるとか、
そこまではならなくてもいいかなと思ったりするんですけど。
でも、そうですね、
やっぱりこういう問題があるんだっていうことは、
常に僕も意識したいなと思いますし、
未来を想像するからといって、そういった問題は何もなかった、
全くゼロベースっていうところもいいんだけども、
それはそれでまた別で、ちゃんと覚えておきたいし、
しっかり向き合いたい。
そういったバランスを取りたいなというふうには、
この未来をイメージする時にはちょっと思っていたりします。