No man’s land 旧フランス大使館
解体前の旧フランス大使館跡の建物を全面的に利用して、一切合切アートにしてしまえと豪快に開け放してくれた企画展。いやぁうらやましいですね。
この企画は写真家の福居伸宏さんのブログ(http://d.hatena.ne.jp/n-291/)にて知りました。
フランスと日本のアーティスト30名ぐらいが参加しており、あといくつか有名どころのギャラリー(小山とか小柳とか)も協力していたみたい。
建物そのものが大使館跡という、少し特殊な環境でありつつも、ここじゃなくてもいいんじゃない?というものも結構あった気がした。
セシル・アンドリュさん(http://www.cecileandrieu.com/)のシュレッダーの部屋や、保科晶子さん(http://pochiko-goron.blog.so-net.ne.jp/)の土粘土に浸食された部屋などが強く記憶に残っている。
期間が年明けて1/31までだから、公開制作で進行中の部屋などもあり、入場無料だし、何度も行ってみてもいいかもしれない。(広尾って普段行かねーし)
しかしこうした場所を利用した企画を見ると、改めてアーティストは場所ありきのものなんだなーと。
「ここ好きに使ってくださいね」とはいいつつも、その「ここ」という場所の範囲は決まっており、その境界が明確なのがこうした展覧会ではリアルに分かる。
ランドアートは特殊な例としても、アートでは常に限られた空間との関係になってしまうものなんだなぁ。これだけ好きにやっていながら、その中では確かにいろいろとめまぐるしく楽しいのだけれど、あくまでも建物内での出来事になってしまってしまうというか。。。
しかしそれはものの捉えようでもありますね、その前提を前向きに捉えて活動することだっていくらでもできますし、限定される場所というアートの在り方によって作品の魅力が失われる訳では決してないし。
ただこうしたアートが可能である場所についての関わり方、広がり方などについて色々と感じたいい機会だったと思いました。
ちなみに建物の場所によっては学生が占拠しているエリアもあり、そこは学祭の雰囲気でした。